浮気の罪と罰

身体は浮気したけど心は浮気していない。

心は完全に浮気しているけど身体の浮気はしていない。

 

はたしてどちらが残酷なのでしょうか。

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僕の女友達(31歳)が2年間付き合った彼氏(33歳)に浮気されました。浮気相手はなんと21歳(!)だったそうです。

彼女は僕に「この浮気を許すことができたなら…これからもっと大変なことが起こっても二人で乗りこえられると思うの…だから…がんばる。大丈夫。うん、大丈夫」と言いました。

さらに彼女は「浮気してしまったものはしょうがない。終わったことだし。それにこっちにも何か原因があったのかもしれない。だから、大丈夫」と言いました。

 

終わりの始まりが始まった瞬間です。

 

僕は彼女に「でもさ、君の彼氏、浮気中は相手の身体に夢中になって、気持ちよくなってもらおうと腰振ったんだよね。一所懸命、裸で腰振ったんだよね」と事実を伝えました。

彼女は泣きましたが、僕はこれっぽっちも反省していません。大切な友達だからです。大きなお世話だったのかもしれませんが、ちゃんと向き合ってほしかったのです。過去に何度も何度も同じような失敗をし、後悔している彼女に。

本当に許しているのか?これからは本当に大丈夫なのか?

逃げず、見て見ぬふりをせず、今回こそはしっかり向き合ってほしかったのです。

 

なぜ彼女は彼の浮気を許そうとしているのでしょうか。

 

彼女が31歳だったから?

彼が謝罪しているから?

彼の年収が高いから?

親にもあいさつが済んでいるから?

 

彼女は僕に、こうも言いました「身体は浮気したかもしれないけど、心は浮気していないと思うから大丈夫だと思う」

何が大丈夫なのか、さっぱり分かりませんでした。これっぽっちも分かりませんでした。

浮気を許す理由はさまざまだと思いますが、この場合はおそらく「別れたらまた一人になってしまうから」ではないでしょうか。

「別れるよりは浮気を許したほうがマシ」という選択をしたのではないでしょうか。せざるをえなかったのではないでしょうか。

 

僕は胸を張って声高らかに自慢できることがあります。

それは「今まで浮気をしたことが無い!!」ということです。

「浮気するほどの甲斐性やルックスや年収がないからだろ」「いやいや、そもそもお前、人生において彼女いる時期めっちゃ少ないじゃん」という方もいらっしゃると思います。おっしゃる通りです。でも、僕は小さい時から浮気がどれだけ幸せを壊すのかを目の当たりにしてきました。友人たちの離婚の原因の多くは浮気です。僕の兄も嫁の浮気が原因で離婚しました。孫と会えなくなったことが決まっときの父と母はひどく落胆していました。

 

浮気はしてはいけない。あたり前に聞こえます。

でも、こんなあたり前のことがあたり前になっていない世の中を僕らは生きています。 

事実として、この世は浮気にあふれています。きっと僕らが知っている浮気って、氷山の一角なんだと思います。僕らが知らないだけで、無かったことにされた浮気っていうものがこの世にはたくさんあるのかもしれません。

僕も、僕が知らないだけで浮気されていたのかもしれません。 

  

なぜ人は浮気をするのでしょうか。

 

知らないのです。コスパの悪さを。

コスパの悪さを知らない人が浮気するのです。

結婚している人が浮気をしたら多くの場合離婚します。子供とも離れて暮らすことになり、結婚を祝ってくれた多くの人に対しても残念な結果を報告しなければなりません。養育費や慰謝料だって発生します。将来、自分の子供も知るでしょう。1回の浮気で失う物が多すぎます。どう考えても見合ってないと感じます。

 

いや、やめましょう。こんな分かりきった話は。

もっと本質的な、地獄の部分の話をしましょう。

 

浮気持つ最大の罪と罰は「レッテル」にあると僕は考えます。

 

冒頭にお話しした浮気を許そうとしている僕の友人は、彼が浮気をしたことを許そうとしています。無かったことにしようとしています。

しかし、事実は無くなりません。

この先、彼女はずっと、もしかしたら一生彼に対して(この人は浮気した人)というレッテルを貼って生きることになります。

 

時間が経過して、彼となにか別のことでケンカしたときも、心のどこかで

(なんだよこいつ、えらそうなこと言いやがって。浮気したことあるくせに。私は浮気を許してやったんだぞ。忘れたのか)

というぬぐえない気持ちを持ち続けるのではないでしょうか。

 

何もケンカした時に限っての話ではありません

 

彼女「ただいまー!」

彼「スヤスヤ……ん…あ、おかえり…」

彼女「あ、起こしちゃった?ごめんね(ご飯も作らず洗濯もせず寝てやがる。浮気したくせに)

 

彼女「カレー作ったよ!」

彼「もうちょっと辛い方が好きかな」

彼女「そっか(なんだよこいつ浮気したくせに)」 

 

彼氏「ごめん、到着30分遅れる!」

彼女「浮気したことあるくせに?」

 

極端に書きましたが、こんな「浮気のレッテル」生活が一生続く。何かの拍子にスイッチが入る。精神的な地獄です。彼女も彼女で、一度でも彼に「浮気を許す」と伝える以上、この先決して「浮気したことあるくせに」と口に出してはいけません。それくらいの覚悟が必要なはずです。

 

浮気を許してもらった側にも、許す側にも、一生取れることのないレッテルがつく。

これが浮気の最大の罪と罰だと考えます。

 

もちろん個人差があるのは百も承知です。恋愛の形は十人十色。

浮気をネタにできるカップルや夫婦も稀に存在していることを知っています。

 

でも、もし無理して浮気を無かったことにしようとしている人、許そうと思っている人、許したつもりで苦しんでいる人がいたら、もう一度だけでいいので考えてみませんか。

 

浮気を許すには覚悟が必要ということを。

 

この先背負って生きていく「浮気を許す」罪と罰について。

 

 

ありがとうございました。

 

おしまい

 

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