全ての就活生に捧げます

今年は約500名。

いわゆる「お祈りメール」と呼ばれる不採用通知を出した人数です。

 

僕の勤めている会社は大きくないので人事部というものが存在しません。

よって、僕のような役職に就いた社員が新卒採用の指揮を取ります。

僕の会社は学生さんに人気の高い職種であり、給与や待遇も悪くありません。

同等規模の会社さんが聞いたらびっくりする人数の学生さんに応募いただきます。

わずか数席の新卒採用枠です。もちろん不採用の人数も跳ね上がります。

 

僕は【今後のご活躍とご発展を心からお祈りしています】と送った約500名の学生さんの今後の活躍を本当お祈りしています。どうか就職活動がうまくいきますようにと心から願っています。

 

今日書かせていただくのは、学生さんには面と向かってお伝えできない採用する側としての本音です。

 

あくまで、無責任な僕の個人的な想いです。

 

僕は出張が多い仕事なので新幹線をよく利用します。

最近、新幹線ホームにコーヒースタンドができました。よく利用します。

先日もコーヒーを買おうと列に並んでいると年配の男性が店員さんにこう聞いていました。

「ここのコーヒーは300円以上するけどセブンイレブンの100円のコーヒーよりおいしいの?」と。

店員さんの回答は素晴らしく的を射た回答でした。

「コーヒーはおいしい、まずいと言うよりはお客様の好みに合うか合わないかなんです。お客様の好みに合えばセブンイレブンのコーヒーよりおいしく飲んでいただけるかもしれません」

 

店員さんの言う通りです。

薄い、濃い、苦い、甘い、軽い、重い。

コーヒーは豆や焙煎の方法や抽出のしかたでずいぶんと違った味になります。

あとは、その人の好みに合うかどうかなわけです。

 

これは採用においても全く同じことが言えます。

劣っている学生さんが不合格で優秀な学生さんが合格するわけではありません。

今、その会社が求める人物像にマッチしているかどうかなのです。

 

しかも、例外なく求める人物像は毎年変わります。特に中小企業はガラリと変わります。

発展途上である中小企業の多くは様々な方針や施策を試します。売上やその時の社内の問題によって毎年求める人物像がガラリと変わって当たり前なんです。

例えば、社内のメンツが全体的に数字に弱ければ数字に強い人が欲しくなります。でも1年後にはみんな数字に強くなって、今度は文章作成が上手な人が欲しくなります。しかし1年後には文章なんか下手でもいいから、とにかく元気な人が必要だったりします。

 

全てはタイミングなんです。

 

だから、あります。

「この学生さんは去年だったら間違いなく合格だった」

「この学生さんはうちでは活躍の場を今は用意してあげられない」

ということが。

 

だから、就職活動で落選続きの学生さんは、他の学生さんよりも劣っているわけではありません。あくまで落選した会社の「今」とあなたの「今」がマッチしなかっただけです。

 

コーヒースタンドの店員さんの言うとおりです。

まずいコーヒーなんか存在しないんです。

 

でも、そのことに気付けず、中には就職活動に疲れきっている学生さんも沢山います。何か夢を諦めて就職活動する学生さんもいます。

 

無理に就職なんてしなくてもいいんです。

 

突然ですが、日本人の平均寿命、男性が80.2歳、女性は86.6歳だそうです。

さすが長寿大国ですね。

32歳の僕でさえまだまだ人生の前半戦です。

21歳前後で就職活動で悩んでいるみなさん、大丈夫です。

どうやらみなさんの人生、超序盤みたいです。

ワンピースで言うとまだ仲間なんか3人くらいしか揃っていないくらい序盤です。ルフィ、全然本気出してない。ゴムゴムもこれしか伸びてない。(ワンピースちゃんと見たことないので間違ってたらゴメンなさい)

 

新卒での就職。

確かにすごく重要です。でも日本は人生の超序盤に人生の重きを置きすぎな気がします。

そんなこと言っても色んな事情で就職しなくちゃいけない学生さんが山ほどいることも知っています。

だから、忘れてほしくないのは、今回の就職が決して一生を決めるものではないということです。何とか就職して、がんばってみたけどダメだったら転職すればいいんです。

転職を繰り返すことを「悪」だと捉える人がいます。僕はこれぽっちも悪いとは思いません。逆です。

転職に限らず、独立、倒産、離婚を繰り返す魅力的な人、沢山います。全ては立派な経験値なんです。

もちろん、今、就職活動で悩んでいることも、全て立派なあなたの経験値なんです。

 

焦らなくても大丈夫です。

あのタモリさんだって芸能界デビュー30歳です。

カーネル・サンダースだって65歳からケンタッキーを創業しました。

やなせたかしさんがアンパンマンを生み出したのは57歳です。

 

焦らず経験値を積んでいきましょう。

 

 

みなさんの今後のご活躍とご発展を心からお祈りして。

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 ありがとうございました。

 

おしまい