少し前の話ですが、ある仕事で「なぜ人は老いると個の認識力が下がるのか」ということを勉強しました。知恵熱を出しながら様々な資料を読んだのですが、これが調べてみるとなかなかおもしろいのです。
そもそも「個の認識力の低下」とはどういうことか。
ここで言うそれは「最近の若い人、みんな同じに見える」という現象のことです。
下記の画像をご覧ください。
乃木坂48のホームページのメンバー一覧の画像から無作為にスクショした画像です。
みなさんはどれくらい個の判別ができますか。
決して揶揄するわけではなく、僕にはほとんど個性を認識できません。もちろん、みんな顔が違うのは分かりますが、大きな差を感じないのです。
この画像を僕と同じアラフォー世代の友人数名に送付して、どれくらい各メンバーの個性を判別できるかをヒアリングをしました。
数値で表せるものではないので、僕の感覚になりますが、35歳以上のアラフォー世代は気持ちいいくらい壊滅的でした。
「みんな……同じような個性だよね」
「顔が違うのは分かるけど、個性を認識できるかと言われると難しい」
「これ、メイクや髪形、3種類しかないでしょ」
「齋藤飛鳥ちゃんだけは知っている」
という状態です。
なんなら、みんな少し落ち込み気味に返答をくれました。
ひとつ下のアラサー世代に聞いてみると、しっかり認識できる人とまったく認識できない人が存在しました。でも、アラフォーよりは確実に個の認識ができている様子。
20代前半の人にも協力してもらいましたが、比較的みんな認識できていました。
やはり年代が上がると下の世代に対する個の認識力が下がっているようです。
繰り返しになりますが、僕ももちろんアラフォーの皆さんと一緒です。この画像の中の12人くらいは姉妹なんじゃないかと思っています。他の人もみんな血のつながりがある親戚。乃木坂一族。メンバーの顔がプリントされた乃木坂48のトランプで神経衰弱したら歴史的な大敗をするでしょう。同じアラフォー同士でやったら永遠に終わりませんね。
ここで思い出すのは自分が10代後半から20代前半だった頃に大人たちが言っていた
「最近のタレントはみんな同じに見える」という言葉。
僕は、その言葉を聞く度に「おじさん(おばさん)は嫌だなぁ~。認識力が低下するんだな~」と思っていたのですが、光陰矢の如し。少年は老い易く、気付けば僕がその立場に。
果たして、本当に僕(アラフォー)の認識力は低下したのでしょうか。
こちらをご覧ください。
言わずと知れたモーニング娘。
加護ちゃん辻ちゃん加入で11人になった2000年の写真ですね。ゴマキのかわいさは神がかってますけど個人的には飯田香織さんの美しさに改めて気付かされます。
こちらはAKB48の神7。全員問答無用にかわいい。
僕は倉持明日香さん派閥です。なんせラジオに呼んでいただいたことがあるので。
あくまで僕個人の見解ですが、モーニング娘。もAKB48も乃木坂と比較すると圧倒的に個性があると感じるのです。
つまり「リアルタイムで見る機会が多かった対象以外は個性を判別しにくい」ということですよね。
この現象はきっと解明されているに違いないと思い、色々と原因を調べてみたのですが大きな理由がいくかありました。
そのうち、最もシンプルな理由は「人種効果」という現象です。
「人種効果」とは、アメリカ人が「アジア人はみんな同じ顔に見える」と言い、アジア人は「アメリカ人はみんな同じような顔をしている」と感じる現象です。これが「この認識力の低下」の原因。
つまり、昭和生まれの僕から見た令和のアイドルは外国人なのです。
もう少し詳しく解説します。
30代になり、同じような世代としか交流しなくなると、交流の少ない世代の個性を脳が認識できなくなるようになっていくらしいのです。つまり目と脳が慣れていないだけ。
おじいちゃん&おばあちゃんが年に1~2回しか会えない孫たちの名前をなかなか認識できない現象も近いものがあります。
「慣れていたら年齢なんか関係なく認識できるのかも」そう思い、中学と高校で教師をしている友人(アラサー&アラフォー各1名)にそれぞれ乃木坂の画像を送ったら驚くほど個の認識ができていました。教師は日頃から若い子たちに囲まれているので目も脳も慣れているようです。
繰り返します。
個の認識力の低下は老いではなく、単純に慣れていないだけ。
なんて単純なんだ。
探していたものはこんなにシンプルな答えだったのか。
老いじゃなかった。
なーんだ。
じゃあいいか。
でも、本当にそれだけが原因でしょうか。
僕は、どうも人種効果のせいだけではないと思うのです。
目に入る情報が一気に増えたことも原因ではないでしょうか。
スマホやSNSの普及で僕たちが手にする情報量は爆発的に増えました。例えば、僕が中学生の頃にとっての「エロ」とはなぜか山に捨ててあるエロ本くらいでした。情報収集に必死でした。しかし、今はGoogle先生が全部教えてくれるのです。エッチな話も、世の中の仕組みも、問題の回答も。そして、今どんな顔がかわいいとされているのかも。
それが原因で「美女の幅」は昔よりも狭くなっているような気がしてならないのです。
情報量は増えたけど、あまりにも増えすぎてしまい、そのほとんどが均等にならされた情報なのです。
「こうするといいよ」というコピペされた情報をTIKTOKで、Instagramで、Twitterで、YouTubeで繰り返し見ているのです。
まだスマホやSNSが普及する前、若者の情報源は雑誌かテレビしかありませんでした。
情報量は今よりもずいぶん少なかったけど、その代わり各社オリジナリティのある情報だった気がします。
昔を懐かしみ、現代を憂い始めたらおしまいですね。
やめておきます。
ずいぶんと「〇〇のような気がする」が多い文章になってしまいました。これは、おじさんの自信の無さの表れです。でも、良いのです。
自らの老いに抗うようにアイドルを把握しようとする情熱やカロリーは僕にはとっくの昔に残されていません。そもそも、把握する必要性もないし、おじさんが若者に寄せることは誰も望んでいません。無理して若者文化に寄って来ようとするおじさん、しんどいですよね。そんなことを考えながら、嗚呼、こうやってぼやきのバトンは脈々と受け継がれていくのだなと感じた次第です。
ありがとうございました
おしまい
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