タマ取ってくる告白
最近、告白しましたか。
してませんよね。する機会、そうそうないですよね。
あったとしても人生で数える程度ですよね。
世の中には一度も告白することなく結婚まで到着する猛者もいるようですけど、たぶんほとんどの人は1回はしたことありますよね。
僕のところにはたくさんの相談が寄せられます。
好きな人に告白するべきかとか、どうやって告白しようかとか。
毎月同じくらいの件数の「別れた」とか「ふられた」とか「付き合った」という報告がきているような気がします。
そんな報告を聞いていると「世の中に存在してもいいカップル(夫婦)の数って決まっているのでは?」と感じてしまうことがあります。みなさんの周囲もそうじゃないですか。自分が失恋したら友達に恋人ができたり、その逆もあったり。こっちが別れたらあっちが付き合う。あっちが別れたらこっちが付き合う。そんな円環の中をグルグルと回りながら、僕たちはあらかじめ総数が決められたカップルや夫婦に入れられたり、外されたり、まるで絶対に抗えない大きな力でコントロールされているような気がしてしまうのです。
冒頭からスピリチュアルになってきました。いかんいかん。
話を戻します。
「告白ありきの恋愛」というのは大人になると徐々に存在感が薄くなる気がします。
くんずほぐれつの性交渉が先になり、その後に交際する方もいる。
今、「SAY KOU SHOW ~交際して性交渉?それとも性交渉して交際?~」が思い浮かんだ人、たぶん僕と気が合います。友達になりましょう。
別に告白なんかしなくても、なんだかんだうまくいくカップルもいます。
でも告白が無いと
男「ところで俺たち付き合ってる……よね?」
女「そのあたり、どうお考えで?私はあなたのことをセフレだと思っていたら落ち込む?」
男「はい。付き合っている関係だといいなとは思っております」
女「OK。じゃあ今日から正式に恋人になったことな」
という確認が必要な場合がありますし、中には
「いや……申し上げにくいのですが……恋人という認識はありませんです……」
という悲劇もありえます。
だから、できるだけ告白はあったほうがいいと思います。
いや、"できるだけ"ではなく、男女が交際する際に告白はあるべきです。
なぜなら、告白とは決意表明だから。
「好きです。付き合ってください」という言葉は
「好きです。今後互いが連絡を取り合い、時間を作り、会い、体の関係を持ち、浮気はせず、思いやりをもって接し、膨大な時間と価値観を共有し、信頼関係を築くために今のライフスタイルを変えることを決めてください。僕(私)にはその覚悟が既にあります。付き合ってください」の略なのですから。
つまり決意表明でありながら「あなたのこれからの人生を変えてくれませんか。こっちはその覚悟できてますよ」という相手に対する要求でもあるのです。
そんな役割を持つ告白だからこそ、年齢とか立場は関係なく僕はあったほうがいいと感じます。
そして、そんな大事な告白ですが5つの種類があります。今回はそれを解説します。後半に行くにつれ特殊になりますが、確かに存在する告白です。
1つ目。
たぶん、今世の中に存在するカップルが一番してきた&されてきたであろう告白。
いわゆる【形式上の告白】です。
すでに互いに好意があることは確信しており、二人の関係を「両想いの二人」から「恋人」に昇格させるために必要な形式上の告白。
3~5回目のデートでやりがちなやつ。
静かで落ち着いた雰囲気の場所でやりがちなやつ。
形式上ではあるものの、それでも緊張してダサいこと言いがちなやつ。
でも、それでOKなやつ。
ただ、万が一のバッドエンドもあるわけです。デヴィッド・フィンチャーの映画のラストかよ!と言いたくなるような、まさかの大どんでん返し。
「え?そんなつもりじゃ……なんか……ごめんね。なんか、ごめん」
みたいなフラれ方したら恥ずかしいやら情けないやらで、ハハハと泣き笑いしながら消え去りたくもなる。
僕らは大人になり、体と一緒で心の治癒能力もすっかり衰えてしまいました。そして、傷つくことが死ぬほど怖くなりました。「絶対にいける。形式上告白は必要だな」と思っていた告白でフラれら一生立ち直れないかもしれません。
2つ目。
【一か八かの告白】です。
10代や20代前半のうちに最低でも1~2回、できれば3回くらい経験しておきたい告白です。
自分の好意はまちがいない。でも、相手に好意があるかは分からない。でも、もう自分の好意は抑えられない。
どこまでも限りなく降りつもる雪とあなたへの想い。少しでも伝えたくて、届けたくて、そばにいてほしくて。
今の関係を「恋人」に昇格させるためには、もはや告白しかない。
痩せたとか、おいしいものを食べたとか、身体を動かしたとか、サウナで整ったとか、肌の調子がいいとか、そんな気分がいいときは「この告白はきっと成功するにちがいない。きっと相手も私を好き。今すぐラビューだぜ」と思うけど、一人で過ごした週末の夜なんかに何者かに足元をすくわれると「あの自信はどこから湧いてきたんだろ。告白してもうまくいくわけがない」と考えてしまう。
勝つか負けるか。ハイかロー。まるで博打打ち。
形式上の告白の数倍緊張する。成功すれば天国。負ければ地獄。
でも仮にだめでも、勇気を出してちゃんと告白した経験はいつか糧になるし、自分のことを「よくやった…」と承認はできるはずですよね。成功が分かっている告白の数倍、経験値を得られるはず。
僕は、ここの告白をする人が大好きだし、いつもひいき目に応援してしまいます。
3つ目。
【ミニ告白】です。
もしかしたら【形式上の告白】よりもこっちのほうが多いですかね。
はっきり「好きです」とは伝えず、遠回しに告白する。ストレートは打たず、ジャブだけで勝負をつけようとする。
例えば「デートしませんか」というお誘い。
「ご飯食べましょう」とか「飲みに行きましょう」ではなく、はっきり「デートしませんか」と誘う。これは「あなたのことは友人ではなく恋愛対象として見ていますが、どうですかね」というミニ告白になり得るのです。
他にもLINEで「今度二人だけでご飯食べに行こうよ」とか「●●ちゃんってどんな人がタイプなの?好きな人、いるの?」とか「この戦いが終わったら伝えたいことがあるんだ」とか。
ここで誘いに乗ってくれたら脈ありと言えないのがもどかしいところですよね。でも、ここで断られたら脈が無いことはなんとなく伝わりますよね。ミニ失恋です。
4つ目。
【終わらせるための告白】ですね。
一部界隈では「告ハラ(告白ハラスメント)」と呼ばれています。
自分は相手のことが好き。でも、残念ながら相手は自分のことを好きではないようだ。
「だって相手には恋人がいる」
「ほかに好きな人がいるみたいなこと言っていた」
「自分のことなんか相手にするわけない」
色々な理由で「自分が選ばれるわけがない」と思っている。そんな中、ポジティブな要素をかき集めてしまう。
「でも、先週は向こうからLINEを送ってきてくれたから」とか「一緒にいると向こうも楽しそうだ」とか。
この片想いを終わらせるためには告白してフラれるしかない。
「好きです。返事はいりません。気持ちを伝えられただけで満足です。あざした。お電気で。では」という告白になりがち。卒業する先輩や異動する人に対して言いがち。
当然相手は「ありがとう」とか「お、おう」としか言えない。
告白なので当然緊張もするし、カロリーもめちゃくちゃ使う割に相手に「付き合ってくれ」という見返りを求めないわけです。しかも、告白したからといって自分の気持ちが切り替わるかと言えばそうじゃない。ここがやっかい。気持ちを伝えただけだから、フラれてはいないわけです。つまり、諦められない。
非常に慎ましい告白として扱われることもありますが、相手目線だと好意だけを一方的に伝えられて終わるので、見方によっては身勝手で暴力的な告白にもなってしまう。
しかし、ごく稀にここで逆転する人もいます。ダメ元告白がOKになるのです。
それは、告白とは「全肯定」だからです。
好きだという気持ちを伝えることは相手の全てを肯定しているわけです。
顔、スタイル、性格、立ち振る舞い、考え方、センス、家族構成、飼い猫、空の写真。それらすべての全肯定。
全肯定されると、人は肯定してくれた人のことを意識してしまう傾向があります。仮にデートを何回かした相手ならなおさら。
告白という全肯定イベント後はその人のことを考えてしまう時間が増える。人間とは都合よくできているもので、入浴中や就寝前などの脳波がリラックスしているときに肯定してくれた人を思い出すようにプログラムされているという話もあります。そうすると、「あれ?自分にも恋愛感情が……あるのかも」という考えになるときもあるのです。
この現象を狙って、戦略的に時間差で告白する人もいます。いったん「好きです」とだけ伝え「付き合ってくれ」とはすぐには伝えない。「恋人になることを考えてほしい」と伝えるのです。相手に考える時間(全肯定タイム)を戦略的に与えるわけですね。策士です。
5つ目。ラスト。
ここまでは前置き、ここから本題みたなもんです。
5つ目は【タマ取ってくる告白】です。
ここで言う"タマ"とは「仁義なき戦い」や「アウトレイジ」や「孤狼の血」で怖いおじさんたちが言う「誰じゃい!サツにチンコロしやがったのは!!タマ取ったる!!」の"タマ"と同じ"タマ"です。
何が何でも相手にOKを出させる告白です。
断られるか成功するかは、すべて自分次第。なんと、この告白は主導権も結果も100%自分が源となるのです。
そんな告白あるの?と疑問に思う方もいますよね。存在するのです。
このイベントを発生させるためには条件が必要です。
いくつかパターンがありますが今回は「友人同士」という関係に終止符を打つための告白を例に出しましょう。
●二人の関係に名をつけるとすれば「昔から知っている友人同士」
●二人きりで会ったことは何回だってある
●自分は相手のことをまちがいなく好き
●今は双方に恋人はいない
●相手は恋愛に対して積極的なタイプではない。
このあたりが揃えばOK。
ここに
●昔、彼に好意を伝えたことはある。でもその告白は「好きです。聞いてくれてありがとう。では」みたいな自分の気持ちを伝えただけの告白であった。
みたいな「ちょっとだけ恋愛要素があった」という状態でもOKです。なんなら数回フラれていてもいける。
この場合、告白というよりは、クロージングです。
営業です。商談です。 プレゼンです。
「私は、あなたのことがずっと昔から好きでした。友達としてではなく、一人の異性として好きなのです。そして、これは私の中で確信していることなのですが、あなたは私と付き合うことが最もベストな選択です」
こういったスタイルで商談をスタートさせます。
「その理由をこれから説明させていただきます。大きな理由は3つあります。本当は8個あるけど、時間は限られていますので、今日は特に大事な理由3つに絞ってきました。
まずはひとつ目、私くらいあなたのことを好きになる人は、今後あなたの人生には現れません。なんせ10年間です。もしかしたら、あなたはすごく驚くかもしれません。もしかしたら気持ち悪いと感じてしまうかもしれません。でも、事実、私はあなたを10年間ずっと好きだったのです。
互いに恋人がいた時期もありましたが、それでも私はあなたのことが好きでした。誰かにばれたらあっけなく色々なものが終わってしまうような、そんな小さな小さな恋心を秘めていました。その小さなあなたへの灯は、今日までただの一度も消したことはありません。
~長くなるので中略~
以上、三つの理由から、あなたは私と付き合うべきなのです。
絶対に幸せにしてくれとか、結婚してくれとか、そんなことを求めているわけではありません。
大事なことなので繰り返しますが、こんなに好きになってくれる人、そうそういないと思いますし、私はあなた以上に誰かを好きになれる自信がありません。そういう意味ではもうすでに、私たちはかけがえのない存在なのです。
例えばあなたが私の告白を断っても、私はあなたのことをこの先もずっとずっと好きなままでしょう。私はあなたと一緒なら努力できます。一緒に、二人がおだやかに暮らすための努力です。もしかしたら普通のカップルが味わう"付き合いたての楽しさ"とか"新鮮さ"みたいなものはないのかもしれません。でも、それでいいのです。私たちはきっと穏やかに大きなトラブルなく過ごせるはずです。
ここまで言って、断れますか?二人ともわりといい年齢なんだし、一回二人の関係を恋人にしませんか。ダメだったら別れればいいのです。きっと私たちなら一度恋人になっても友達に戻れるでしょう。私たちはそんな特別な関係です。ここで、改めて問います。ここまでの提案を聞いて、あなた、断れますか?人として、一人の人間として、断れるんですか?」
理路整然と、本気で、冷静に、伝える。熱い想いとクールなハートでクロージングする。
相手の温度を感じながら、あくまで場は和やかに。
僕ならプロジェクターのあるレンタルルームを借りてそこにスライドを写すかもしれません。
この【タマ取ってくる告白】を発動させるために少し条件が必要と書きました。
今回、例として挙げた条件はあくまで「長年の友人」という設定でした。他にも色んな発動条件がありますが、相手が受動的な恋愛をする人(押しに弱いとか、恋愛に対して消極的とか)であれば発動可能です。そして、だいたい交際に至るはずです。そういった意味では最も成功する告白でもあるのです。
僕に来る相談のうち、この【タマ取ってくる告白】を使って何組ものカップルを誕生させてきました。すごい成功率です。なんせ断られるか成功するかは、すべて自分次第ですからね。
以上、5つの告白でした。
ようやく落ち着いてきましたが、コロナのせいで恋愛が以前よりも不自由なものになってしまいました。
いつかの再放送を見ているような毎日の中、たくさんの「あと一押しだったはずの恋愛」があったと思います。
大好きな恋人がいたのに、コロナに対する価値観の違いで別れを選択した人もいるでしょう。
今、リアルタイムで相談件数が増えているのは「ワクチン接種に対する価値観の違い」です。※ワクチン接種って時と場合によっては宗教とか政治くらいデリケートな話になりますよね。
フリーの人たちは「新規の出会い」の難易度がずいぶん上がりしました。
そんな生活の中、ゆっくりと恋愛を諦めてしまった人もいるような気がします。もしくは「コロナだからしょうがないよね」とコロナを「がんばらなくてもいい理由」にしている人もしるかもしれません。
そんな人たちに少しでも(コロナも落ち着いたし、恋愛でもしてみっか)と思っていただきたく、久しぶりに恋愛のブログを書きました。
コロナ禍でもやれる範疇で、楽しみましょう。
コロナだろうが容赦なく時間は流れました。
コロナがやってきて2年弱。もれなく全員年齢を最低でも1つは重ねたはずです。
この先、いつまで続くか分からない。このまま終わるのかもしれないし、終わらないのかもしれない。
でも、動くなら、今しかないのかなと思った次第です。
どうか、みなさま、よき告白ライフを。
ありがとうございました
おしまい
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有料ブログやオフ会などのオフラインイベント主催や独身の方の恋愛サポートやっています。緊急事態宣言も明けたので出会いの場の提供も行います。一カ月だけでもどうぞ。※入会は月初がおすすめです
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